デバンニングは過酷な作業ですが、その過酷さが最も際立つ季節が夏です。
今回はデバンニング時の暑さを軽減するテクニックをご紹介します。おすすめの冷却アイテムやそのメリットデメリットも解説致します。
暑さ対策1:コンテナ内の気温を下げる
夏はコンテナ内の気温が大幅に上がり、立っているだけでも辛い過酷な環境です。このコンテナ内の気温を下げる事で作業が大幅に楽になります。
作業開始前にコンテナを開けて扇風機の風を循環させる
作業開始時間よりも前にコンテナを開封し、扇風機の風を循環させておくとコンテナの気温が下がります。コンテナを開けてすぐ作業するケースが多いかと思いますが、コンテナ内の気温を下げたいのであればサーキュレーターや扇風機で事前に空気を循環させておきましょう。
扇風機は2台使用する
扇風機が1台の時と2台の時では明らかに体感温度が違います。コンテナの入り口の両脇にセッティングできるように備品の配置をしましょう。
扇風機、サーキュレーター、スポットクーラーどれを使うべき?
扇風機(業務用)、サーキュレーター(業務用)、スポットクーラー、デバンニングではどれを使うべきでしょうか?
結論から言うと一番効果が高いのが、スポットクーラーとサーキュレーター両方を使う方法です。
それぞれの特性は以下の通りです。
- 扇風機 広い範囲に穏やかな風を送る
- サーキュレーター 狭い範囲に強い風を送り、空気を循環させる
- スポットクーラー 冷却された風を送る
デバンニングは作業者の位置がほぼ固定されています。なのでその作業者に合わせて強い風を送れるサーキュレーターの方がより涼しさを感じながら作業が出来ます。扇風機は基本的に広い範囲に穏やかな風を送るだけなので、コンテナの奥に行けば行くほど効果が薄くなります。反対にサーキュレーターはコンテナの奥に行ってもその風を感じる事ができます。
このサーキュレーターの風にスポットクーラーを合わせるとよりコンテナの気温を下げる事ができます。しかしスポットクーラーは高額であり、スペースも取るので置いてある現場はあまり見かけません。なので冷却された空気を感じたいのであれば各自アイスノンベストなどを着用し、その状態で風を受けると体感温度が劇的に下がります。
延長コードを使い、扇風機をコンテナ内に入れるのも手段の一つ
現場によっては延長コードを使用してコンテナ内に扇風機を入れている所もあります。扇風機の風が入口では届かないのであればこうしてコンテナ内に入れてみて下さい。キャスター付きの台に設置する事が出来れば荷降ろし時にあまり邪魔にならずに済むはずです。(パレットをローラーで移動する際にはキャスターで扇風機を横にする)
サーキュレーターの欠点
40フィートコンテナの場合は業務用扇風機よりも業務用サーキュレーターの方が涼しさを感じられます。しかし、コンテナ内に粉じんの多い場合はサーキュレーターを使う事はおすすめしません。サーキュレーターの目的は強い空気を送り、空気を循環させる事なので、粉じんまで循環させてしまう事になります。その場合はスポットクーラーを使うか、各自冷却アイテムを着用して暑さを凌ぐしかありません。
暑さ対策2:荷下ろし作業時のおすすめ冷感アイテム
作業者自身に冷感アイテムを装着し、体温を下げます。
おすすめ1.アイスノンベスト
アイスノンベストはアイスノンを入れられるポケットを備えたベストです。1日作業では当然無理ですが、コンテナ1本、もしくは2本くらいであれば十分冷涼感を維持できます。
おすすめ2.首冷却グッズ
アイスノンベストほど手間が掛けられない場合、もっと手軽な物が良い場合は、首冷却グッズをおすすめします。どこか一部分冷やすのであれば首です。
おすすめ3.空調作業服
最近空調作業服を着てデバンニングしている人も見かけます。ただ、荷下ろしする際に貨物を身体に密着させなければならない、そういった現場ではすぐに空調服が汚れてだめになり、非常にコストが掛かります。冷涼効果は非常に高いですが、現場を選ぶという欠点があります。懸念点が無いのであれば効果は一番高いです。
おすすめ4.冷凍したペットボトルを作業服内に入れる
手間を掛けたくない人は麦茶やスポーツドリンクのペットボトルを冷凍して作業服内に入れるだけで冷却効果を得られます。これは解けたら冷たい状態で飲めるという利点もあります。ただ、かさばる点や水滴が出るというデメリットはあります。
暑さ対策3:ポイントをチェックする
夏場は過酷なので作業ペースが落ちます。ですので夏場のデバンニング作業では以下の事を意識してください。
水分補給の時間を定期的に設ける
他の季節では作業者の判断で飲みたい時に飲むという場合が多いと思います。夏場ではそれ以外に水分補給という名目の小休止時間(数十秒~数分)を設ける事で作業者の負担を減らし、作業ペースが落ちる事を防ぐ事ができます。これは現場リーダーが意識し、設定した時間間隔で水分補給を全員に促すのが理想です。
コンテナ作業は基本同じ事の繰り返しなので、水分補給のタイミングを取るのが難しいです。ついついずっと作業を継続しすぎて水分補給のタイミングを逃してしまったというのはよくある事です。これは熱中症に繋がりますので避けてください。
喉が渇く前に水分補給する。これが疲労軽減、体力減少回避のコツなのでぜひ意識しておいてください。
クエン酸入りドリンクやタブレットもおすすめ
作業中にクエン酸入りのドリンクやタブレットを摂取すると疲労を軽減できます。クエン酸はパウダーを購入し、オリジナルのドリンクを作るのが一番コストパフォーマンスが良いです。
手軽に摂取したいのであればドラッグストアなどに売っているクエン酸入りのタブレットを試してみて下さい。きっと疲労軽減効果を体感できるはずです。
まとめ
夏はデバンニング作業をするのに最も過酷な季節です。熱中症に気を付けて安全第一に作業をお願い致します。