今回は初心者の方に向けてリーチフォークリフトの初歩の操作方法と乗り方のコツについて解説致します。
また、リーチフォークリフトが難しいと言われる理由についてもご説明致します。
- 基本の操作方法(レバーの役割について)
- 乗り方のコツ、練習方法
- なぜリーチフォークリフトはなぜ難しいと言われるのか
目次
リーチフォークリフトとは?カウンターとの違い
まず簡単にリーチフォークリフトについておさらいです。
リーチフォークリフト
これがリーチフォークリフトです。立って操作します。
カウンターフォークリフト
対してカウンターフォークリフトは座って操作します。教習所で使用されるのはこちらのカウンターフォークリフトです。
リーチフォークリフトとカウンターフォークリフトの違いの覚え方
どちらがリーチでどちらがカウンターか初心者の内はあれ?となるかもしれません。
リーチ(reach)の意味の1つに『手が届く、手を伸ばす』というものがあります。
リーチフォークリフトはツメ(マスト)を前後に移動できるのでこういう名称が付いています。
リーチ=手を伸ばす事が出来ると覚えると分かりやすいです。
なぜリーチフォークリフトは難しいと言われるのか
リーチフォークリフトはカウンターに比べて難しいと言われます。以下がその理由です。
フォークリフト講習で習わない
フォークリフトの講習で練習するのはカウンターフォークリフトとなります。そもそもリーチフォークリフトは免許取得の段階では習わないので難しい、敷居が高いと感じる人が多いのは当然の事です。
操作方法が車の運転と全く違う
カウンターフォークリフトは車の操作方法に似ています。対してリーチフォークリフトは全く違います。
カウンターは車と同じように足元のアクセルとブレーキで操作するのに対して、リーチフォークリフトは前後の移動は手元のレバーで行います。また立ちながら操作する点やハンドルの形状も全く違います。
前後移動のレバー
ハンドル
特にハンドルを操作して旋回する時は車の感覚と全く違うので戸惑う人が多いです。
リーチフォークリフトの基本の操作方法
まずそれぞれのレバーについて解説致します。各レバーの役割は以下の通りです。
- リフトレバー (ツメを上下に移動)
- ティルトレバー (ツメの傾きを調整)
- リーチレバー (ツメを前後に伸縮)
- 前後レバー (車体を前後に移動)
1.リフトレバー
ツメを上下に移動します。レバーを手前に引くと上に上がります。
2.ティルトレバー
ツメの傾きを調整します。レバーを手前に引くとツメの先端が上がります。
3.リーチレバー
ツメを前後に移動します。レバーを手前に引くとツメも手前に来ます。
4.ブレーキ
ブレーキは足元にあります。踏んでいる状態でないと進みません。つまり、足元のペダルを離す事でブレーキが掛かります。
5.ハンドル
ハンドルもリーチフォークリフト独特の形状をしています。時計回りに回すと車体が右を向き、逆は左を向きます。よく車体がどの位置になったらハンドルを切ってなどと解説される時がありますが、こうして覚えると感覚として身に付かないのであまりおすすめできません。あくまでもハンドルの切り方は練習してみて感覚として身に付ける事をおすすめします。
リーチフォークリフトを練習する時のコツと注意点
初めて乗る時は感覚が全く無い状態なので不安ですが、コツと注意点だけ頭に入れておいてあとは感覚として身に付けるのがベストです。フォークリフト熟練者は後輪の位置がここに来たらハンドルをどのくらい回して…というような事は考えていません。感覚で乗っています。以下のポイントを頭に入れて実践練習を繰り返してください。
一番難しいハンドル操作の感覚を指先で覚える
おそらくリーチフォークリフトの基本操作で一番戸惑うのがハンドル操作です。初心者の内は回しすぎて車体が一瞬で回転していまい、バランスをくずす事がしばしばあります。ましてや荷物を持ちながら狭いところを旋回するなど不可能に近いです。
この操作が一番難しいと認識して最初に丁寧に練習しましょう。これをマスターしていない状態の場合は、自ら時速制限してゆっくりと作業する事を心がけてください。
練習する時は何もない広い場所で前進→旋回→前進→旋回を繰り返し、右旋回が出来たら左旋回というように繰り返し練習しましょう。
ティルトレバーの意味を知る
ティルトレバーはツメの傾きを調整できますが、これは講習でも習うカウンターフォークリフトの時と同じです。重い荷物を移動する時はツメの先端を上げた方が荷崩れを防げます。
初心者の内はリーチレバーの使用は極力控える
リーチレバーがあるからこそのリーチフォークリフトで非常に便利な物ですが、初心者の内はまずは他の操作を完璧にしてから使用しましょう。リーチ操作に意識が行き、事故でも起こしてしまったら本末転倒です。ツメは基本一番伸ばした状態であれば問題ありません。カウンターフォークリフトと同じ状態です。
なお、ツメはフォークリフトを充電する時には一番短くします。つまり最初は短い状態であるという事なので最初にツメを伸ばすのを忘れないようにしましょう。
ブレーキのかけ方
前述致しましたが、リーチフォークリフトのブレーキは足元にあります。ペダルを離す事でブレーキになります。この掛け方と別にもう1つブレーキのかけ方があります。前後レバーを進行方向と逆に一瞬だけ倒します。こうする事で電気ブレーキが掛かり、車体が止まります。
つまり、前進移動している時にブレーキを掛けたい時は前後レバーを後ろに一瞬だけ倒します。前に倒しているレバーを瞬間的に後ろに一度倒すという事です。このブレーキのかけ方も初心者の内は難しいので繰り返し練習しましょう。
重い荷物を持ち上げる時の注意点
重い荷物を上げる時はフォークリフト自体にも揺れが伝わり安定感の無さを感じるはずです。初心者の内は倒壊防止のため必ず以下の点に注意して操作してください。
- ツメはパレット奥まで入っているか
- ツメの位置が左右にずれていないか
- ツメの角度は大丈夫か(ティルトレバーで調節)
- 急旋回を絶対にしない事
- 急ブレーキを絶対にしない事(危険時除く)
具体的に練習する時の方法
何もない広い場所で行うのが理想です。
- 前後移動(直線で繰り返し)
- 前進→旋回→前進→旋回の繰り返し
- 円を描くように大きく右旋回、左旋回
- 空パレットを積み重ねる練習
- 大量に重ねた空パレットを移動する練習(ティルト、ツメ角度の練習)
- 空パレットを3枚用意する。1枚を左右に高速で綺麗に揃うように移動する
リーチフォークリフトのよくある質問
レバーが前後レバーの他に4本ある
前後レバー合わせて5本のレバーがある時はツメを左右にシフトできるレバーです。これは荷物を左右に微調整したい時に使います。
リーチフォークリフトはどのくらい練習すれば乗れるようになるのか
1日4~5時間の作業で1週間で慣れた
2週間経っても全くなれない
一日2時間程度しか乗る機会が無いので1か月経っても慣れない
など色々です。これについては個人差があるので一概には言えませんが早い人で20時間程度、時間が掛かる人ではその2~3倍以上のの時間が掛かると言えそうです。習得までの日数は1日の作業(練習)時間にも寄ります。連続して練習できる環境の方が上達は当然早いです。
ただ1か月は完全に初心者と思い行動する事が大切です。一番大事なのはポイントを丁寧に一つずつマスターしていく事です。学習スピードよりも安全を重視してください。
- ティルト操作が完璧(ツメの感覚が分かり、パレットを押したりしない)
- この角度に車体を向けたいと思った時、完璧にその方向に向ける(旋回しすぎたりしない)
- 高重量の荷物を持った時、適切なツメ角度を保ち移動できる
- 危機回避の時の急ブレーキができる
- ある程度のスピードでまっすぐ走行できる
- パレットとパレットを綺麗にそろえる事ができる
まとめ
非常に操作が難しいリーチフォークリフトですが、安全丁寧を第一に作業をお願い致します。慣れることが出来ればカウンターフォークリフトよりも非常に高い利便性を感じられる事でしょう。