手降ろしでのデバンニングで気になるのが作業時間。そこで今回は荷降ろしの作業時間の目安について実際のデータに基づいて解説していきます。
荷降ろしの作業時間は作業員のスピードに大きく依存する
まず、大前提となりますがコンテナ荷降ろしに掛かる時間は作業員の作業スピードに大きく依存します。いくら段取りの効率を挙げても、熟練したフォークマンがいても肝心の作業員の作業スピードが遅いと荷降ろしの時間も遅くなります。
デバンニングに熟練した作業員とそうでない人を比較した場合、1.5から2倍ほどの作業スピードの差が出ます。人によっては更に差がつくこともあります。
コンテナ作業時間の目安
一般的に、20フィートは1時間、40フィートは2時間を目安として人員配置する事が一番多いです。2時間を超えるとドレー会社との契約などから遅延金が発生する場合が有るのでこの時間が一般的となっています。
荷降ろし作業時間の実例
以下は、デバンニング作業に慣れた作業員が荷降ろしした場合の実際の作業時間です。スロープを設置し、フォークリフトがコンテナの中まで入れる状態にし、ラップ巻きの作業は別の作業員が行った場合です。
実際のコンテナ作業時間
フィート数 | 貨物積載数 | 貨物重量 | 作業員数 | 作業時間 | 備考 |
20FT | 800 | 25キロ | 2人 | 45分 | 8回し5段 |
20FT | 700 | 25キロ | 2人 | 40分 | 4回し8段 |
40FT | 1000 | 25キロ | 3人 | 1時間10分 | 4回し8段 |
40FT | 2500 | 10キロ | 4人 | 1時間30分 | 4回し8段 |
40FT | 860 | 25キロ | 5人 | 40分 | ロット確認有 |
これらは経験の豊富な作業員が行ったものなので、そうでない場合は、1.5から2倍以上の作業時間がかかります。また、パレットローラーを使用する場合や、ラップ巻きを荷下ろし作業員がする場合、内容貨物の種類数が多い場合は、更に時間が掛かるものとご理解ください。
※毎回必ずこの時間になるという訳では無く、作業員の疲労やフォークリフトの積み付けの時間などによっても差が出ます。あくまでも一例として参考にしてください。
特殊作業があるコンテナは作業時間が掛かる
ただ荷下ろしするだけでは無く、特殊作業がある場合などは更に作業時間が掛かります。
- 箱型貨物の全面のキズの確認(底面も含む)
- 貨物を全て逆さまにして積む
- 紙袋の貨物をパレットに収まるように整えてから積む(上部を折り曲げる・床に何度か打ち付けて形を整える)
- ラベルを貼ってから積む
- 指定された数だけパレットに積む(38個を1パレット、45個を1パレットなど、行先ごとに分けて)
こういった特殊な作業が有る場合、作業時間は更に伸びます。
荷降ろし作業時間を短縮するには?
荷降ろしの作業時間を短縮したいのであれば、以下のポイントを押さえて下さい。
- 作業員のレベルアップ(作業スピードを上げる)
- フォークリフトの段取りの最適化
- パレットローラーの使用
1.作業員のレベルアップ
荷降ろし作業時間は、ほぼ作業員のスピードに依存するので、作業員のレベルアップが不可欠です。その為には各作業員の作業レベルを見極め、待遇やリーダーなどの役職の付与をし、作業員に意識づけをする事が大切です。
熟練した経験者と未経験者では1.5から2倍以上も違うのですから、作業員のレベルを向上させる事が何よりも荷降ろしの時間を短縮する事になります。
2.フォークリフトの段取りの最適化
パレットへの積み付けが終わり、完成したパレットをフォークリフトで引いていきますが、この時毎回余りにも引くのが遅い場合は、効率が悪いです。コンテナの荷下ろし作業員が多すぎるのか、もしくはフォークリフトの人員が足りないのか、どちらかとなります。
パレットへ積み付けが終わり、10秒以内に引ければ最高の効率を発揮していると言えます。逆に、パレットが出来上がっているのに1分もそのままで作業員の手が休んでいるようなら、人員の配置が間違っている可能性があります。
3.パレットローラーの使用
40フィートでコンテナ内にフォークリフトが入れない場合は、パレットローラーを使用します。コンテナの奥でパレットを作り、出来上がったパレットを押してコンテナ入口まで持って行きます。パレットローラーを使用しないと40フィートの奥の方の貨物は全て手前まで運んでこなくてはなりません。
ただし、状況によってはパレットローラーを使用しない方が早い事があります。このパレットローラーを使用するかどうかの見極めは非常に難しいのですが、1パレットに積載する数が多いほど使用した方が良い場合が多いです。
例えば1面に16個載せられる貨物などの場合、こういった細かい物を入口まで運ぶのは非常に困難です。逆に1パレットの積載数が少ない場合は、入口まで運んできてしまった方が良い場合が多いです。
デバンニングのコツを覚えて作業時間の短縮を!
デバンニングは一見すると単純な作業ですが多くのコツがあります。
別のページで細かいコツを解説していますので参考にしてください。