コンテナをデバンニングする際、貨物がパレットに積まれている状態であればフォークリフトで抜く事が可能ですが、そうでなければ手降ろしでの作業が必要になります。
今回は手降ろしでのデバンニング方法について解説していきます。
目次
デバンニングの流れ(バラ積み、手降ろしの場合)
基本的にコンテナのデバンニング作業は以下の流れで行われます。
１．コンテナの封印の確認・切断
２．コンテナを開ける
３．貨物の状態の確認
４．荷降ろし作業開始
５．コンテナ内の清掃
６．コンテナを閉める
以上となりますが、各工程において注意しなければならない点があります。特に４の実際の荷降ろし作業の工程では、注意点を把握しておかないと多大な時間を消費してしまいます。
デバンニングする際の注意点
１．コンテナの封印の確認・切断
コンテナについている封印に書かれている番号およびコンテナ番号が入庫予定のものに間違いないか確認します。
万が一を頭に入れ入念にチェックした後に封印を切断します。
２．コンテナを開ける
コンテナを開ける際ですが、絶対に勢いをつけてあけてはなりません。貨物が扉側に倒れてきている場合が有るので、非常に危険です。コンテナを開ける際はゆっくりと、片側ずつ開けていくのが基本となります。
３．貨物の状態の確認
コンテナを開けた直後は、貨物の状態を確認します。見える範囲の貨物に、目立った汚れやキズが無いか確認します。特に最下段は水濡れやカビが発生している場合があるので気を付けて確認します。異常を確認したら写真撮影し、対応します。
４．荷降ろし作業開始
実際の荷降ろし作業ですが、以下のポイントに注意して作業を行ってください。
パレタイズの方法を確認する
最初にパレタイズの方法を確認します。パレットの１面に貨物をいくつ置くのか、これを最初に決めます。パレットの積み方の種類については以下のページを参考にしてください。
作業人数
作業人数については多くても５人、最少人数でやるのであれば、１人または２人でも可能です。注意が必要なのが、人数を多く入れれば必ずしもその分早くなるわけではない事です。５人を超えた人数でやろうとすると作業中に”渋滞”のような状態になり、非効率になる恐れがあります。必ずそれぞれの役割を確認する必要があります。
コンテナの奥の方で作業をする時はパレットローラーを使用
コンテナ内部までフォークリフトが入れる場合なら別ですが、そうでないならパレットローラーを使用して時間の短縮を図ります。４０フィートコンテナなどの場合、奥の方の貨物をコンテナ入口まで運んでパレタイズすると時間も労力も掛かります。そこでコンテナに、パレットローラーを配置し、その上でパレタイズし、終わったパレットを入口の方まで押して運んでいきます。この方が多くの場合時間短縮になります。ただ、４０フィートで合ってもパレットローラーを使わずに入口まで持ってきた方が早いケースもありますので、この辺りはデバンニング作業豊富な経験者の判断に任せましょう。
フォークマンと荷降ろし作業員の連携に注意
荷降ろし作業中はフォークリフト作業員と荷降ろし作業員の連携が不可欠です。フォークマンは常にパレットが用意されているかを確認します。荷降ろし作業員は今積んでいるパレットを一時移動させて欲しい場合は即座にフォークマンに声掛けして依頼します。(種類違いの貨物で違うパレットに積みたい時など)
それを受けてフォークマンはパレットを移動させますが、どこに置いておけば効率的なのか、移動させたパレットはどの種類の貨物なのかを把握しておきます。把握しておかないと、○○(貨物の種類)のパレットを移動お願いしますと言われた際に時間のロスとなってしまいます。
貨物の汚れ・傷のOK基準を決める
酷い汚れや傷がある貨物は当然、別パレットに積んでいきますが、微妙な場合は責任者がOKかどうかを判断し、基準を決めます。最初に決めないで都度確認していくとこれもまた時間の浪費となってしまいます。
５．コンテナ内の清掃
荷降ろしが完了したらコンテナ内の清掃をします。清掃はほうきとちり取りが基本ですが、４０フィートなどの場合では業務用モップを使用し、それから細かい箇所を自由ホウキを使うのがおすすめです。貨物の内容物が散乱し、ひどい時には竹ぼうきなども有効的です。
６．コンテナを閉める
中に何も入っていない事と清掃の終了を確認してからコンテナを閉めます。
作業時間の目安は？
手降ろしでのデバンにおいて一番気になるのが作業時間かと思います。多くの場合、貨物の種類の多さ(SKU)と作業員の作業スピードに依存します。これについては別ページにて解説しています。
デバンニングの効率を上げる為には？
デバンニングの作業効率を上げる為のポイントを次のページで解説しています。
