きついと言われるコンテナの荷降ろし【=デバンニング】作業。
実は慣れている人達がみんな無意識にやっている、作業を極力楽にする方法を解説していきます。
- どういうコンテナがきついのか
- 実際に本当にあったきついコンテナ
- きついコンテナを楽に荷降ろしする裏ワザ
これから初めてコンテナ荷降ろしアルバイトをしようとしている方や、今現在、仕事をしている方はぜひ参考にしてみてください。
なぜ手作業でのコンテナの荷降ろしはきついのか?
1.高速での作業がきつい
デバンニングは楽な仕事ではありません。コンテナに入っている荷物をパレットに移し替えるという単純な作業内容ですが、単純が故に作業のスピードを求められるからです。そしてこの作業スピードは経験者ほどより速いです。初めてデバンニングをするというアルバイトの方などは、その経験者の作業スピードを見て驚かれるかもしれません。
2.重量物への対応
コンテナに入っている物は様々でもちろん軽い物もありますが、中には初心者には大変辛い重量物もあります。
一人で持つのと二人で持つのでは全く違いますが、50キロ位であれば一人で持つことを要求される場合があります。半分の25キロであれば確実に一人で持っての作業となります。
この25キロと言う重さですが、1つ2つであれば多くの人が簡単に運べる重量です。しかし、デバンニングではこの25キロと言う重さを1人何百個と積まなければなりません。こういった重量物の荷扱いをしなければならない点がデバンニングがきついと言われる一つのポイントです。
経験者はこれらを普通に、大変そうな顔をする事無く積んでいきます。コンテナ荷下ろし未経験者が特に大変と感じる時はこれら重量物のコンテナに当たった時です。
もしこれから荷下ろしバイトをしようとしているなら、その職場の倉庫が扱っている物が重量物であるのかそうでないのかよく確認しましょう。
初心者が重量物のコンテナについていけず、帰宅を余儀なくされるというケースも現場によってはよくある事です。
3.スピードだけでは無く、丁寧さも要求される
デバンニング作業は、スピードだけでは無く、パレットに積む時の丁寧さも要求されます。
コンテナに入っている貨物は大切な商品となります。これらを破損させないようにパレットに積む必要があります。荷物と荷物をぶつけて傷つけてしまう、落としてしまう、パレットに当てて傷つけてしまう事は初心者ではありがちです。こうならないように細心の注意を払いつつ、パレットに積んでいかなければなりません。
しかし、デバンニング初心者は積むことに精いっぱいで丁寧さまで気を配れない事がほとんどです。
4.過酷を極める夏場
デバンニングで一番辛い季節は夏です。何故ならば、コンテナの中は太陽に照らされてまるでサウナのような暑さになっています。ただ立っているだけでも暑いコンテナの中で全力で動かなければなりません。
その為夏だけはこの仕事を敬遠するという人も居るくらいです。
実際に本当ににあったきついコンテナ内容
ケース数(貨物数)が多い
コンテナには内容物が100ケース以下の物もあれば、3000ケースを超える物もあります。
2000ケース、3000ケースを超えた物は多くの場合いわゆるハズレコンテナと言われることが多いです。なぜならば、どんなに人数を入れようとも1時間以内で終わる事はほぼ有り得ないからです。
逆に500ケース以下の物であれば30分などで終わる事もあります。スタッフからすれば作業時間は短い方が良いのでこういったケース数が多いコンテナは一番嫌われます。
3000ケースのコンテナってどの位作業時間が掛かるの?
この位ケース数が多いコンテナだと作業時間が気になりますが、どんなに熟練したスタッフがやったとしても2時間程度は掛かります。熟練したスタッフの場合なので、そうでないなら更に時間が掛かってしまう事も十分あり得ます。
種類が多い(ロット/SKU)
基本的にコンテナに入っている貨物は種類ごとにパレットに分けます。なので種類が多ければ多いほどパレットの入れ替えの時間などが発生するので時間が掛かります。
逆に、1種類しか入っていないコンテナは非常に楽です。貨物を分類する必要が無いので完全に積むだけです。
一番問題なのは10種類など多い時(コンテナによっては30種類以上の物も)。こういう種類数が多くて尚且つ種類ごとに区分けされていなく、バラバラに入っている時は非常につらいコンテナとなります。バラバラな時点でハズレコンテナです。
種類が多いと何故作業時間が増えるのか?
まず、貨物についているJAN/ロットを確認する時間が発生します。コンテナの中はライトを使用しても暗いのでこれが非常に大変です。更に種類がバラバラに入っている状態だとパレットを頻繁にフォークリフトなどで入れ替えなければなりません。これの時間が掛かり作業時間が増えていきます。
重量物
コンテナの中身が重量物なのは当然やはりハズレコンテナになります。どのくらいの荷物を重量物と感じるかどうかは人それぞれだと思いますが、未経験者なら20キロ以上、経験者なら30キロ以上でしょうか。未経験者の人が30キロ以上を扱おうとすると作業終了まで耐えられない事の方が多いです。
実際に本当にあった重量物
以下は重量物貨物の例です。
50キロの麻袋(食品原材料)
60キロのマットレス
50キロの鉄製品(ジャッキ)
50キロの家電製品(洗濯機、エアコン)
こういった貨物を経験が浅い人が扱おうとすると最悪腰を痛めたりします。荷下ろし初心者の人が初めてアルバイトする時は、こういった内容物で無いのかよく確認しましょう。
パレットではなく、ネステナに積む
多くの場合パレットに積んでいきますが、貨物によってはネステナと呼ばれる金属製のラックに積んで行く場合があります。ネステナ積みの方がパレットよりも大変な場合が多いです。4本の支柱があるのでこれに邪魔されてスムーズに積む事ができません。支柱を避けるように上手く積んで行かないといけないのでその分厄介です。
特殊作業有りの荷下ろし
ただパレットに積んで行くのではなく、特殊な作業が有る時。
箱型貨物の全面のキズの確認(底面も含む)
貨物を全て逆さまにして積む
紙袋の貨物をパレットに収まるように整えてから積む(上部を折り曲げる・床に何度か打ち付けて形を整える)
ラベルを貼ってから積む
指定された数だけパレットに積む(38個を1パレット、45個を1パレットなど、行先ごとに分けて)
こういった特殊作業がある荷下ろしは当然時間も労力も増えます。
楽に荷降ろしする方法
荷降ろし作業で一番つらいのは重量物への対応です。これを極力楽にする方法をご紹介します。
重量物だけでなく、軽量物でも同じ要領で荷降ろしすれば体力の温存ができます。力仕事初心者の方はこのような事を意識していません。
ポイント1:荷物を腕だけで持たない
最大のポイントは荷物を腕だけで持たないという事です。
特に20キロ以上の重さの物をずっと腕だけの力で持とうとするとその内相当な筋疲労が来て持ち上がらなくなってしまいます。物を一番楽に持てるポジションは体の内側に寄せた時です。赤ちゃんを抱っこした時のような形が一番楽に持てます。物を持った瞬間に極力体の内側で支えるようなイメージを持っておくと、きつさが和らぎます。
更に、荷物を上からおろした瞬間に、その荷物の重さを腕の力だけで受け止めないでください。体全体で重さを受け止めると良いです。
下から荷物を上に挙げる時は、これも同じく腕だけの力で挙げるのではなく、脚の筋肉や、胴体で支えて挙げるイメージです。
初心者の人ほど腕の振りが大きくなりがちなのは、腕の力だけで作業している為です。経験者ほど腕の振りが小さいです。腕は支えるだけに使うと覚えておきましょう。
ポイント2:力を入れる時は一瞬で
物を持つ時、常に一定の力を入れて持とうとすると体力がすり減っていきます。
例えば床にある荷物を肩の辺りまで持ってくるとします。これを常に一定の力とスピードで肩まで持ってくると凄く疲れます。
床にある荷物を楽に上に持ち上げる時のポイント
- まず、一番力とスピードを付けて一瞬で地面から持ち上げます。(決してジワリジワリと持ち上げない)
- そして持ち上がった瞬間に一旦力を緩めます。
- 物が腰の辺りに来た瞬間にまた瞬間的に力を入れて肩まで持ってくる。
このように力の入れ方に緩急をつけるのがコツです。更にこの時一連の動作でポイント1で述べたように体の中心に近づけるようなイメージで持ち上げると更に楽です。
荷物を瞬間的にでも体に付けるようなイメージです。
まとめ
デバンニングは大変な仕事ですが、慣れて出来るようになれば、時給も高く、終わった後の達成感を得られる仕事です。サイト内ではデバンニングに役立つ様々な情報を掲載しています。