海上コンテナからの荷降ろし業務を効率化する為にはどうすればいいのでしょうか?
今回はデバンニング業務(バラ積み)の効率化について解説致します。※企業様向けの記事となります。
この記事の通りに業務を実践して頂ければ以下のようなメリットが得られます。
- 作業時間の軽減
- 作業人数の適正化
効率化1:時間計測
デバンニングを効率化する時にまず必要なのは作業時間の計測です。
- 内容貨物数・SKU数(貨物種類)がほぼ同一であるコンテナを、規定した人数で毎日作業を行い、時間を計測します。
- 計測された時間の平均を算出し、そのコンテナの現在の作業時間を把握します。
この時点で、この平均時間が一般的なデバンニングの作業時間の目安を1時間以上など大幅に逸脱していれば、すでに問題があります。
20フィートコンテナで1時間、40フィートコンテナで2時間が大体の作業時間の目安です。(特殊な作業が有る場合を除く)
作業時間の目安については、実際のデータサンプルが別のページに記載されていますので、詳しくはそちらを参考にしてください。
この時間をを大きく超えているようであれば、以下のような状況であると考えられます。
- 作業人員が適正で無い
- 作業員の練度が足りない
- 段取りが間違っている
以下の手順で効率化を図ってください。
効率化2:作業員の数を適正にする
コンテナの荷降ろしにはそのコンテナごとに適正人数があります。人数は多すぎても少なすぎても作業時間が伸びます。
まず20フィートであっても40フィートであっても、荷降ろしの作業員は2人か3人が適正の場合が多いです(フォークリフト除く)。この時の3人目はあくまでも補助的なポジションと考えてください。
荷降ろし作業員が2人で良い場合
特に特殊作業が無く、内容物も軽量かつ少ないというような場合は2人が適正です。パレットをコンテナの貨物付近に限界まで近づけて置き、積んで行くというのが最も効率が良い状態です。
荷降ろし作業員が3人必要な場合
作業員が3人必要なのは純粋な積み下ろしだけでは無い、特殊な作業が有る場合です。特殊な作業とは、
- SKU(種類)が多くフォーク作業員に細かく指示しなければならない
- リストを見ながらパレットごとに特殊な積み方をしなければならない
- ハンドリフトやパレットローラーなどを頻繁に使用する
- 検品しながら積まなければならない
こういった特殊作業がある時は3人目を入れた方が良いと言えます。
4人もしくは5人は?
コンテナ荷降ろしで5人もしくは4人必要な時はよほど特殊な作業がある時や、作業負荷の軽減の為です。1日中コンテナがある倉庫は作業員の負荷が高いので人数を多くし、1人当たりの負荷を軽減する場合があります。
6人以上は非常に効率が悪い
特殊作業が無いにも関わらず、作業負荷の軽減の為だけに6人以上で作業をすると、多くの場合効率が非常に悪くなります。貨物を取る際に、誰かが取っている時に誰かが待たなければならないという『渋滞』のような状況が生まれてしまいます。よほどの事が無い限り6人以上の作業員は必要ないとお考え下さい。また夏場に多人数で作業をするとコンテナ内の温度が上がり、作業員に非常に不快感を与えてしまい、作業スピードの低下に繋がります。
効率化3:作業員の能力の把握・レベル向上
デバンニング業務の時間は作業員のスピードに大きく依存します。2つのペアA(2人)とB(2人)がいるとして、Aなら40分で終わるが、Bだと1時間30分を超えるというような事は普通に起こり得ます。
作業員の能力の把握
効率化の為には、各作業員の作業能力も把握する必要があります。1人で作業する事は少ないので、個人の完全なレベルを把握するのは難しいですが、1人を固定し、もう1人を入れ替えるというやり方で大まかな判断ができます。
作業員の能力の向上
作業員の能力を向上させるためには、作業能力の高い人と低い人を組ませる事です。こうする事で自然と作業レベルの差が短縮されていきます。しかし、あまりにもレベルの差がある場合はお互いに不快感を感じてしまう場合があるので注意が必要です。
効率化4:フォークリフトの適正化・段取りの効率化
積み付けが完成したパレットが何分経ってもフォークリフトで引けないのは非常に効率が悪いです。
こういったケースでは、荷降ろし作業員もしくはフォークリフト作業員の人数、作業負担を見直すことをおすすめします。もしくは何か非効率な事が発生していないかを確認してください。
例えば、
2人作業・1パレット積み付け時間30秒・軽量物
このようなパレットをフォークリフトで引くとき、1分以上の待ち時間が発生してしまうのであれば効率という観点で見れば良くはありません。作業員の待ち時間が長すぎる為です。荷降ろし作業1人でやったとしても恐らく1分少々と判断できるので、作業員の数を1人減らしてラップ作業を行い、フォークリフトポジションを補助するなどの作業負担の変更を行います。
ただし、こういったケースでは、荷降ろし作業員の負荷の軽減という意味合いがあるのであれば、無意味ではない事をご留意ください。
効率化5:パレットローラーやローラーコンベアの使用
適正なタイミングでパレットローラーとローラーコンベアを使用します。
パレットローラーの使用
パレットローラーはその上にパレットを載せ、そのパレットに荷物を積み付け、完成したらそのまま入口へ運ぶという使い方をします。
ローラーコンベアの使用
ローラーコンベアは2つの使い方ができます。
- 荷物そのものを載せてスライドさせ、コンテナ入口まで持って行く
- パレットを載せ積み付けが完了したらそのままパレットごとスライドさせる
パレットローラーとローラーコンベアの違い
貨物を検品してからでないとパレットへの積み付けが出来ないような場合ではローラーコンベアを使います。
例えばSKU(貨物種類)が多く、外の明るい場所で検品しながらパレタイズしたい場合などはローラーコンベアを使用します。貨物一つ一つをローラーコンベアで入口まで流し、入口付近もしくはコンテナ外でパレタイズします。
こういった状況で無いのであればパレットローラーでも大丈夫です。
まとめ
以上デバンニングを効率化する為のポイントについて解説させて頂きました。
デバンニング業務を行っている企業様へ
以下の記事をご参考にしてください。